今回は音声編集ソフトAudacityの「Delay」について解説します。
エフェクトの1種で、「エコー」と似た様な機能です。
「エコー」の詳しい解説は下の記事を参考にしてください。
Audacityーエコーの使い方
「Delay」は「エコー」より設定項目が多く、音声をより自分好みに仕上げることが出来ます。
では解説に入ります。
Delayの呼び出し方
まずDelayをかけたい部分を選択します。
音声の一部にDelayをかけたい場合は、左クリックしながらドラッグで一部を選択できます。
全体にかけたい場合は、波形の右にある「ミュート」や「ソロ」のボタンがある囲みの空白を左クリックすると全体を選択することが出来ます。
これがDelayをかける準備です。
Delayの呼び出し方は
「エフェクト」タブ→Delay
以上の手順を踏むと呼び出せます。
すると、下の図のようなウィンドウが出てきます。
Delayの各項目の解説
Delay type
これはDelayの種類です。
3つの種類があります。
1つ目は regularです。 これは等しい間隔でDelayがかけられます。
2つ目はbouncing ballです。
意味は「バウンドするボール」ということで、Delayの効果はバウンドするボールのようにだんだんDelayの間隔が短くなります。
3つ目はreverse bouncing ballです。
「bouncing ball」に「reverse(逆)」がつくので、だんだんDelayの間隔が長くなります。
Delay level per echo(dB)
dBの難しい話は割愛します。
Delay level per echo(dB)とは、Delayするごとに減っていく音の大きさを割合で示したものです。
-30~1まで指定できます。
-6が1/2、1/4、1/8…という割合で音が小さくなっていきます。
1はもとの音量の割合を示しており、ずっと同じ音が同じ音量で繰り返されます。
Delay time(seconds)
これはAudacityの「エコー」でいう「ディレイ時間」です。
時間を短くすればするほど速く音が残響します。
逆に長く設定すれば遅く音が残響します。
0.000~5.000まで設定できます。
これは元の音によって適切な値を設定してください。
0.3がこちら↓
1がこちら↓
Pitch change effectとPitch change per echo(semitones)
まずはPitch change effectについてです。
こちらは2種類あります。
1つ目はPitch/Tempoです。
これは残響音がそのままということです。
2つ目は LQ Pitch Shiftです。
LQとは「Low Quality(低品質)」の略です。つまりLQ Pitch Shiftとは音を劣化させるということです。
次にPitch change per echo(semitones)です。
これは元の音と残響音の音程を変えてDelayする設定です。
-2.000~2.000の範囲で設定できます。
「semitones」とは「半音」の事です。
1.000は半音、2.000は全音を表しています。
1は♯、-1は♭です。
ピアノの鍵盤で考えてみるとわかりやすいです。
ドとドの♯は半音の関係です。
ミの右上には黒い鍵盤がなく、すぐ隣にファがあります。
つまりミとファは半音の関係です。
では実際にDelayをかけてみましょう。
まずはPitch change per echo(semitones)は1.000に設定して、Pitch change effectはPitch/Tempoに設定しました。
次にPitch change effectをLQ Pitch Shiftに設定したものです。
Number of echos
これはDelayする数です。
スライダーでは1~30まで指定できますが、数値を入植すれば50回まで指定することが出来ます。
Allow duration to change
これはDelayをかけた際に音が元の音よりも長くなってもいいか、否かという設定です。 「Yes」と「No」の設定が出来ます。
「No」にすると元の音の時間の範囲でDelayします。
以上でAudacityの「Delay」の解説を終わります。
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